2021年 01月 14日
その12と外壁とつくり
その12 このひび、大丈夫?(その3)
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外部はできればご自身で定期的に点検することをお勧めします。ポイントは3つ。一つ目は外壁面、二つ目は目地、そして三つ目が基礎です。外部は日がよく当たる面や風雨に曝される面など面の条件で発生確率は大きく変わります。特に日当たりの良い面は紫外線や雨で濡れた後急激に乾燥するなど物理的な影響を受けやすいので重点的に点検してください。
ひびの話の前に、外壁のつくりについて説明しておきます。一般的に木造住宅の外壁は構造体の外側を透湿防水シートと呼ばれる薄膜で包みその外側に仕上げとなるサイディングやモルタル面があります。仮に仕上げ面にひび割れが生じてもその内側にシートがあるのですぐ室内に雨漏りすることはありません。仕上げ面はサイディングのような板状の材料かモルタル下地の上からリシンなどの仕上げ材を吹付けたり塗ったりするのが一般的です。サイディングには単に板状で継ぎ目(目地)にコーキングと呼ばれる目止め材を充填して止水するタイプと、鎧のように重ね継いで雨水の侵入を防ぐタイプに大別され、コーキング目地が少ないほど将来の雨漏りリスクは小さくなります(後ほど「目地」のところで詳述します)。モルタル吹付仕上げは下地のモルタル施工の仕方でひびのリスクが変わります。モルタルは水分を含んだ状態で塗られ乾くことで強固になり雨水の侵入を防ぎますが内装のひび同様、乾燥収縮でひびを生じさせるリスクがあります。近年では様々な技術的工夫によりひびの生じにくい工法が普及していますが旧来はモルタルの塗り厚も厚くなにかとひび割れが生じやすい外壁タイプでした。まず一つ目の外壁面のひびですがサイディング面であれば外力が加わったことが原因なので何かぶつけた心当たりが無ければ専門家に見てもらうことをお勧めします。モルタル吹付の場合は乾燥収縮によるものですので外壁の塗替えのタイミングを見計らって下地から補修するのが良いでしょう。大きいひびはやはり外的要因が考えられるので専門家に見てもらってください。