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都市とパッチワークと25歳

まだまだ1990年の話は続きます。別に想い出に浸るわけじゃないよ。どっちかというと記録ですね。忘れちゃうからね。この頃、時代がそうだったのかどうかはわからないけど、僕は結構都市論というか都市景観のつくられ方に強い興味がありました。友達と飲むと、都市はパッチワークとして理解しつくられるのがいいんだ、なんてよくのたまってたことを思い出します。世は何となくそういう言葉がよく聞かれた記憶がありますね。内容はそれぞれ違うのですがコーリン・ロウの『コラージュ・シティ』のような「コラージュ」という言葉、八束はじめさんは確かはっきりと「パッチワーク」という言葉を使っていたような気もします。僕が当時考えていたパッチワークってのは、どちらかというと法制寄りというか、都市計画規制の視点で喩えに使っていたような気がします。曰く、まとまりの単位としての街があったとしてそれぞれの街はそれぞれの想いでルールを作ればいい、ただし街と街の接する際は、街とは別のルールでつくることが前提だ、みたいなね。「街=布地、際=縫い目」と言い換えてパッチワークのデザインを成立させているのは縫い目にこそあるんだって。これは街=布地と街=布地を際=縫い目が調整してこそ住みやすく美しい都市ができるんじゃないかということなんだけど、こういうことを考えてたものだから1990年から2年後のぷー太郎時期にたまたま縁あって親分のプライベートな講演を聴く機会があり、親分が「調停」という言葉を使って似たような話をされたことにいたく感銘を受けてしまい、思わず「仲間に入れて下さい」と門を叩いたってわけです。いま改めて思うのは、ちゃんと文字で書くと意外とどうでもいいこと考えてたんだなってことでしょうか。僕がね。ちなみに僕がこんなことを考えたのにはやはりきっかけがありまして、修論で、人が外部環境をどう評価してるか、ってことを心理調査と色んな物理指標との相関から推論していくなかでじわじわと思い至った感じです。今思い返すとね。きっと皆さんそうだと思いますが、25歳前後ってその人の人生で一番頭の回転が良かった時期なんじゃないかと思ったりします。今となってはもう後の祭りです。合掌。
by uegaito | 2013-05-02 13:35 | 建築

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