昨日で東北地方太平洋沖地震からまる2年が過ぎた。2年経って何か復興に向かって進展したのかというとやはり巷で言われているように僕も何も進んでないと思う。というより福島は明らかに後退している。僕の大好きな鮫川村はいまとんでもないことになっている。線量が東京より低いくらいで全然心配ないかと思っていたら山はそれなりに汚染されていたらしく落ち葉が高濃度に汚染されていることが発覚、せっかくさぎり荘に続いて建設されまさに稼働しようとしていた堆肥センターが、原料の落ち葉や稲藁、家畜糞尿とも危険値ということで開店休業を余儀なくされた。捨てることもできなくなったこれらの山がどんどん大きくなったが勝手に燃やすこともできずただひたすら積み上げ続けることになる。震災以前は家畜に畦などの草を刈って食べさせることで村の里山景観も維持されていたのが、汚染により家畜に与えることができなくなった。やむを得ず家畜には輸入飼料を買い与えることになった。この困難に環境省がささやいた。高性能フィルター付きの焼却炉を国で建ててあげるからどこか土地はないですか。恐らく本当に安全なんだろう。一次産業が主体の村だから農業畜産業が停滞すると言うことは村そのものの停滞を意味する。これまでもきっとそうだったのだろう、村長は男気で即断即決しその話を受け入れることにしてしまった。いまや村は2つの派で分裂してしまったという。優しい村民と美しい里山景観が魅力であり自慢であった素朴な人口4千人に満たない村が、いまや疑心暗鬼で充ち満ちている。外部からの色んな意見が突き刺さってどんどん傷口が大きくなっている。対立する両方とも、本当は単なる被害者であり、文句を言うべき先は国や東京電力であるはずなのに、お互いに罵りあっているというのはどういうことなんだろう。そしてのどかだった村からは少しずつ若者が出て行き始めたという。国はいったい何をしたいのだろう。これが震災から2年経った福島の実情。絆とか、美しい日本人の心とか、そんなのはすっかり無くなったね。