2011年 12月 06日
コンペと皮肉屋と急に建築のことを書きたくなってきたわけです
小説にした。なんというか、文章でどこまで住宅の提案を表現できるかやってみたかったというか。今読んでもそれなりに読ませるじゃんって自画自賛してどうする。ニコラス・ベイカーという名前はこの頃僕の中で大ブームだった、戦時中のニールス・ボーアのアメリカでの偽名。そういう路線ですわね。肝心のコンペの結果はもちろん箸にも棒にもかかりませんでした。でもまあ自分の中では一つ整理がついたな。それからもう1回はこの翌年だったかで、前回の敷地が群馬県の安中榛名の造成宅地だったのに対して今度は千葉県旭市の九十九里浜に面した海岸沿いの造成宅地。この時はちょうど順風晴天の家ができた頃だったかで、牽引型のキャンピングカー、「エアストリーム」の住宅としての完成度に何か妙に触発されて、こいつをメインに据えた住宅のあり方を探ってみたりしたね。折しもアチェの津波被害で大騒ぎしてる頃で、外海に面して住宅を建てるんだからそれなりに対策をする必要もあるんじゃないかって問題提起もしたりして。この時もボーアの「相補性原理」を持ち出してる。それしか知らないのかって突っ込まれそうですがまあそう思われても仕方ないよな。この時の提案をまとめ直して、拡張案も付け足したのが今も事務所のHPに載せているソウホシキジュウキョ。まあ皮肉屋というか世の中を斜めに見てるというかへそ曲がりというか、そんな性根が前面に飛び出るのが僕の場合のコンペってことですね。
若い建築家が世に出るのはコンペに勝つってのが常道で王道。わかっちゃいるけど僕は昔からあまりコンペをしない。それこそ学生時代から数えても両手で十分くらいかも。なんでか。まあひとことで言ってしまえばそういうのが下手なんだろうねきっと。そもそもコンペをするってのは自分にとってどういう意味があるのか。僕にとってはいい仕事を獲るためってよりかは何かしらその時に自分の中でもやもやしている問題を整理したい時に都合良くテーマが合えばやる、って感じだろうか。数年前に東京建築士会青年委員会主催でされた住宅の実施コンペには2度ほど出した。それはちょうど住宅って一体結局なんなんだってのを色々思うところがあったから。どうにもやけくそになっている頃に1度目の住宅コンペがあって、その時は設計に真正面から取り組む気持ちになれずに
by uegaito
| 2011-12-06 15:50
| 建築