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木質とボイラーと公共施設その3

今日は朝から財布を自宅に忘れて来てしまい、やむを得ず文無しのまま芝浦工大の授業に向かいました。スイカ持ってたので取りあえずはなんとかなったけど。って書くと裸の大将が西瓜を持って学校に行ってる見たいだ。そんな感じで朝からつまづいたせいか、課題提出日の今日は受け持ち学生の作品ももう一歩、現場では監督が大ポカしたというニュースは飛び込む、しかも暑いときたもんで、なんだかブルーな一日でした。ってまだこれから一仕事やらないといけないんだけど。さてお待たせしました「その3」です。


さてこのさぎり荘では、必要な最大熱量の2/3を薪焚き温水器が賄っております。足りない部分は灯油焚きの温水器が補います。こう言うとなんだか中途半端な設定に聞こえますが、あくまでピーク時の話ですので、実際には暖房の不要なこの時期ですともう十分3台の薪焚き温水器だけで熱源は賄えております。ちなみに内訳としては2台が温泉の昇温、1台がカランの給湯、そしてもう1台が暖房です。暖房は温水式床暖房でして、ほぼ館内全域に入っております。そして同じ温水管が男子サウナ室の上にある給気ファンに送られて熱交換して廊下に給気されてもいます。これらを基本的に4台の薪焚き温水器で賄っております。設備設計の数字上でご説明しますと、この施設のピーク時の必要熱量は、浴槽昇温で212kW、浴槽補給水昇温で73kW、給湯で58kW、暖房で70kWと計算されてまして、ガシファイアーの能力がメーカーによるとおおよそ60〜75kWでしたので、台数換算するとそれぞれ3台、1台、1台、1台の、合計6台必要となります。ではなぜ6台導入しなかったのか。もちろんイニシャルコストのバランスの問題もありますが、実際にどの程度手がかかるか読めないなかでオペレーション的に6台はどうなんだろうということがありました。加えて置き場自体の問題もあります。いくらなんでもあまりにスペースを割きすぎるのもどうかと。ピークという瞬間最大風速的な負荷によって算定された台数と、コストとのバランスを検討して、浴槽昇温と補給の必要量4台のうち基本量2台を薪で賄い、どうしても足りなくなる瞬間を補助で灯油焚きと決定したわけです。わかりやすいイメージを示すとこういう感じで、この辺までが2台で賄える熱量だとして、厳冬期の朝の昇温と、どっと利用者が集中した場合にこのラインを越えてしまう場合に、灯油焚きが稼働するという想定でした。実際に今では運営スタッフの皆さんの努力で、灯油をほとんど稼働させずにオペレーションできるようになっているようですが、しつこいですけどここまで慣れるのに相当なご苦労をされていると聞いております。

以下その4に続く。長いなあ。
by uegaito | 2011-07-18 19:57 | 建築

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