文明化が進むと人はイライラしがちになるんだそうです。K・ローレンツさんという偉い動物学者が言ってた、んだそうですよ。不快なことに対しては非常に敏感になって、逆に快いことに対してはどんどん鈍感になるんだって。美味しいもの食べてもすぐまたもっと美味しいものが食べたくなるくらいで感動も一瞬だったりするでしょ。なのに入ったラーメン屋がちょっと美味しくなかっただけでバカヤローってくらい怒りたくなるでしょ。人間てそういう生き物なんだそうです。悲しいですね。衣食住、きっとみんなそんな感じなんだよ。僕らのおじいさんおばあさんの時代はモノクロ映画ですら感動の対象で、本なんか何度も何度もすり切れるくらい読んだとかいう話聞いたでしょ。それが今じゃどうですか。ローレンツさんの指摘するのは一人の人が年齢を重ねていくうちに鈍感になっていくってのじゃないんだよね。50年前の子どもと今の子どもの純粋度の比喩なんかわかりやすいよな。この先文明が進むとさてどうなるんだろうねなんて心配になったりもするけど、人間良くできたモンでこれまで捨て去ってきたものに時間をおいて改めて接するとやっぱり感動したりしてね。螺旋で一回転て感じだね。レトロなのとか自然とか地方の豊かさが再注目されるとかね。そうあって欲しいなと。そういうことで。