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台風、首都圏には特に大きな被害をもたらすことなく日本列島から遠ざかってくれたようですね。さてその5です。しかし長いなあ。30分話すための原稿ってこんなに長かったのね。

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ちなみに実施設計の初期段階の設備機械の配置はこのような感じでした。よくあるパターンですが、機械は機械ですから裏として隠すスタイルです。このままさあ詳細設計に入ろうかなという頃に、先ほどお話しをされた農林課の石井さんとお話しする機会があり、グリーンツーリズムの構想を熱く語られまして、そこから着想を得たというか、これは見せてしまうべきだと考え直して、このあたり(薪焚き温水器の置いてあるあたり)のつくりを一気に変更したわけです。標準色はオレンジ色のガシファイアーも、できれば建物全体のイメージに合わせてもらおうと色を指定させて頂き、真っ黒の、まるで機関車のようなガシファイアーが4台並ぶ壮観なボイラースペースと、ラウンジの延長の薪割りテラスが生まれた次第です。多分こうやってエンターテインメント的に扱っている事例もそうそうないのではないでしょうか。館内の床がほとんどタイルカーペットなのにラウンジの床だけ大判タイルなのは、薪割りイベントを想定した出入りの際に床が汚れてもいいようにというわけで変えている面もあります。設計のライブ感を感じていただけるエピソードかと思います。
以上、長々とお話ししましたが、だいたいおわかりいただけましたでしょうか。
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実は先日の土日にも家族で鮫川村に来てまして、毎年この時期にはホタルを見に家族でお邪魔しています。もう4回目になりました。ホタルというのは全くの自然のままの水路では育たないのだそうですね。適度に人の手が入った、草刈りされた水路や農薬の影響のない田んぼなどに棲むんだそうです。荒れていた休耕田に大豆が植わることで際の水路に手入れが行き届くようになり、そしてこれからは田畑と山林の際の間伐や柴刈りが進むことで、どんどんホタルやトンボたちが増えていくんだと思います。こんな素晴らしい取り組みに幸せの循環システムの一施設の設計者として関われたことを、本当に嬉しく思っております。
ご静聴有り難うございました。


いやあやっと終わりましたね。ここまで作り込んで臨んだのに、原稿読めないとなると大事なポイントをぽろぽろ落としてしまって、自分のアドリブのきかなさ加減に超ブルーになった次第でした。そういうことで。
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by uegaito | 2011-07-21 16:24 | 建築 | Comments(0)
布野修司先生の新著『建築少年たちの夢〜現代建築水滸伝』を買いました。まだぱらぱらっと中を見ただけだけどなんだかとても面白そう。布野先生はトークも絶妙なのでこらから読むのが楽しみです。さてこっちはまだまだ続きますよ。ってことでその4です。


さてさぎり荘の設計はどういう風に進んだのか。あまり設計のプロセスって触れることはないかと思いますので、ざっとご紹介したいと思います。
これは一番最初、基本構想時の検討の様子です。こうやってこのへん一体の模型を起こしまして、色んな角度から配置の検討をしたり、周辺の分析をしたりして建物の位置やおおまかな大きさのイメージを作っていきます。
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さぎり荘は公共建築ですから、できるだけ村民の皆さんの共感を得ることができるような物語が必要と考えました。鮫川の印象はなんと言ってもきれいな里山風景と大きな屋根のシルエットです。そこでできるだけその印象を強めるような、里山の群落のシルエットをイメージさせる外観を発想しました。シルエットですからあまり外壁が目立ってはいけません。それで色を黒く落としたというわけです。薄暮の頃から夜にかけて、その意味がなんとなくご理解いただけるのではないかと思います。

いやあまだ続くのかいって感じですが続きますよ〜。今回は久々の画像入りでしたね。
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by uegaito | 2011-07-20 22:32 | 建築 | Comments(0)
今日は朝から財布を自宅に忘れて来てしまい、やむを得ず文無しのまま芝浦工大の授業に向かいました。スイカ持ってたので取りあえずはなんとかなったけど。って書くと裸の大将が西瓜を持って学校に行ってる見たいだ。そんな感じで朝からつまづいたせいか、課題提出日の今日は受け持ち学生の作品ももう一歩、現場では監督が大ポカしたというニュースは飛び込む、しかも暑いときたもんで、なんだかブルーな一日でした。ってまだこれから一仕事やらないといけないんだけど。さてお待たせしました「その3」です。


さてこのさぎり荘では、必要な最大熱量の2/3を薪焚き温水器が賄っております。足りない部分は灯油焚きの温水器が補います。こう言うとなんだか中途半端な設定に聞こえますが、あくまでピーク時の話ですので、実際には暖房の不要なこの時期ですともう十分3台の薪焚き温水器だけで熱源は賄えております。ちなみに内訳としては2台が温泉の昇温、1台がカランの給湯、そしてもう1台が暖房です。暖房は温水式床暖房でして、ほぼ館内全域に入っております。そして同じ温水管が男子サウナ室の上にある給気ファンに送られて熱交換して廊下に給気されてもいます。これらを基本的に4台の薪焚き温水器で賄っております。設備設計の数字上でご説明しますと、この施設のピーク時の必要熱量は、浴槽昇温で212kW、浴槽補給水昇温で73kW、給湯で58kW、暖房で70kWと計算されてまして、ガシファイアーの能力がメーカーによるとおおよそ60〜75kWでしたので、台数換算するとそれぞれ3台、1台、1台、1台の、合計6台必要となります。ではなぜ6台導入しなかったのか。もちろんイニシャルコストのバランスの問題もありますが、実際にどの程度手がかかるか読めないなかでオペレーション的に6台はどうなんだろうということがありました。加えて置き場自体の問題もあります。いくらなんでもあまりにスペースを割きすぎるのもどうかと。ピークという瞬間最大風速的な負荷によって算定された台数と、コストとのバランスを検討して、浴槽昇温と補給の必要量4台のうち基本量2台を薪で賄い、どうしても足りなくなる瞬間を補助で灯油焚きと決定したわけです。わかりやすいイメージを示すとこういう感じで、この辺までが2台で賄える熱量だとして、厳冬期の朝の昇温と、どっと利用者が集中した場合にこのラインを越えてしまう場合に、灯油焚きが稼働するという想定でした。実際に今では運営スタッフの皆さんの努力で、灯油をほとんど稼働させずにオペレーションできるようになっているようですが、しつこいですけどここまで慣れるのに相当なご苦労をされていると聞いております。

以下その4に続く。長いなあ。
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by uegaito | 2011-07-18 19:57 | 建築 | Comments(0)
いやはやその1長過ぎでしたね。ということで後半は更に分割してお送りします。それにしても暑い日々がこうも続くと食欲がどんどん落ちてくる。


続きまして、さぎり荘の設計の過程をざっとご紹介したいと思います。まず本施設に於ける薪焚き温水器の導入プロセスについてご説明して、そのあとでざっと設計の移り変わりをご紹介し、僕のお話しを終わりにしたいと思います。
今回導入した薪焚き温水器、ガシファイアーですが、ペレットでもチップでもなく、生木で燃せるんだという。最初にお話しした簡単であること、なあんだそんな簡単なことか、って言われそうなくらいなことですが、そのくらい簡単な話に聞こえる機械なわけです。ところがなにぶん理詰めで設計する設備設計としては扱い慣れていないタイプでして、ただでさえ薪という不安定な燃料を、しかも人間が投入することで運転するものですから、どこに安定値を定めて設計するのが妥当なのか、正直かなりてこずりました。まあ新しいものをつくりあげる時には必ず越えないといけない壁と言いますか、少ない時間のなかで相当の暗中模索という感じでした。もう今となっては4台も使う素晴らしい事例としてこのさぎり荘がありますので、これから導入される施設は設計がそれは楽だと思います。簡単に使っているように見えているとしたら、それは運営スタッフの皆さんの相当な努力の結果ですが、木質ボイラーのサスティナブルな未来はこういった人の手、生身の人間の関わり無くしてはありえないと思うわけです。

ということで続きは次の投稿までお待ち下さい。
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by uegaito | 2011-07-13 23:27 | 建築 | Comments(0)
去る7/6に鮫川村村民保養施設さぎり荘にて開催された、阿武隈・八溝木質バイオマス協議会主催による『第3回木質バイオマス公開セミナー』にて、3人のスピーカーの一人として『公共施設における木質ボイラーの導入』についてお話しをさせて頂きました。ちゃんとお話しをしないとと思ってしっかり原稿を起こして臨んだのですが、会場に演台が無くて手元に原稿を置いてしゃべることができず、うろ覚えの中でお話しすることになってしまいまして、言いたいことを全部言えなかったと落ち込みましたので、せめてこのブログで原稿を全文掲載しておきたいと思います。なんか住吉さんの影響でしょうか。以下やたら長いので2回に分けることにします。まずは前半です。

ウエガイト建築設計事務所の上垣内です。今日は宜しくお願いします。「公共施設における木質ボイラーの導入」ということでお話をすることになっておりますが、お話しとしましては大きく3点、一つは公共施設で実施することの意味、もう一つは鮫川村で実施することの意味、そして本施設、さぎり荘の設計プロセスと木質ボイラー導入の過程について、設計者としての意見も交えてご説明させて頂きます。時間内にどこまでうまくお伝えできるか心配ですが、どうぞ宜しくお願いします。
まず、公共施設で薪ボイラーを導入する意味についてお話しします。その前に木質ボイラーという言葉ですが、今回本施設にも導入されているガシファイアーなどの小型のものは、設備設計的には薪焚き温水器と呼ぶそうで、ボイラーと呼んでしまうと消防署から危険物扱いされる誤解を生じますので、設計者としてはこのお話しの中でも敢えて薪焚き温水器と呼ばせて頂きます。紛らわしくてすみませんが、なんだボイラーがあるんじゃないかと突っ込まれる方が僕は恐ろしいので。。。
さて本題に戻ります。協議会の皆さんはご存じだと思いますが、サスティナビリティという言葉があります。サスティナビリティとは持続可能性、いつまでも続いていけることを意味します。いかに画期的なシステムであっても、いつまでも続いていけないとやっぱり意味はないと思います。木質ボイラーの中でも、設備が大げさで高額だと、どうしても2つ目、3つ目と普及していかない面があり、結局先細りになってしまうという懸念があろうかと思います。コロンブスの卵のように簡単であることが、サスティナブルな施設や社会づくりには結構重要だったりします。薪焚き温水器は、熱源としては化石燃料系のような地球環境へのインパクトも無く、また今回のような原発事故を契機とした電力不足に際しても動じない安定性があると思いますが、しかし重要なのは、他の熱源は供給システムとしての安定性が担保されているということで、薪焚き温水器についても燃料である薪の供給システムや温水器を動かすオペレーションのシステムが確立されていないと意味がないと思うんですね。これをいきなり民間でやるのは無理です。やはり薪の供給から温水器の設置、運転して活用するといった流れをまずは一通り作り上げないと、サスティナブルな道筋を構築しないと。「施設」という言葉には「建築」だけではなくてそれを取り巻く社会までも含んだ意味があると思います。公共施設をつくるということはそれを取り巻く社会ごとつくるということだろうと思います。薪焚き温水器にはまだまだそういう狭い意味での環境作りが不可欠で、だからこそ公共施設が率先すべきだと思うわけです。
次に鮫川村でそれを取り組む意味についてお話しします。これは完全に僕の推論ですので事実関係については後ほど懇親会ででも役場の皆さんに確認して頂きたいのですが、今回の薪焚き温水器導入の取り組みは、鮫川村ならではの下地があったからこそ実現したのだと思っています。それは、「まめで達者な村づくり」です。
村の皆さんには改めてご説明するまでもないですが、会場にはご存じない方もいらっしゃるかと思いますので簡単にご説明しますと、村内の休耕田に大豆づくりを奨励し、収穫された大豆は品質の優劣に関わらず一定価格しかも市場より高価で村が買い取り、その加工と販売を村が行って全体として利益を上げているというものです。副産物として村内の高齢者が元気になり、毎年この季節にはたくさんのホタルが舞う美しい里山風景が維持されています。とてもざっくりした説明でしたのでご理解頂けたか不安ですが、本題に戻ります。この、まめで達者な村づくりにおける幸せの循環システムですね。これこそコンパクトなサスティナブル社会の成功事例だと僕は思っていますが、見たところ今回の薪の調達・供給システムはまめで達者な村づくりの林業版ではないかと僕は理解しています。ある種の経営感覚というか、近江商人の「三方良し」に通じるビジネスセンスが下地にあったからこそ、恐らく全国初でしょうか、4台もの薪焚き温水器を敢えて導入する英断に踏み切れるのだと思います。

以下は次の投稿になります。しばらく時間をおいてアップすることにしますね。
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by uegaito | 2011-07-11 22:18 | 建築 | Comments(0)
節電ムードの日本をあざ笑うかのようなとんでもない猛暑ですね。これじゃさすがにエアコンなしってわけにはいかないよな。色々書くことあるんだけどありすぎるとどっから書いていいかわかんなくてもう手が全然進まない。ということで今日はここまで書いただけましってことで。
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by uegaito | 2011-07-10 21:04 | つれづれ | Comments(0)
コウメさん骨折。昨日事務所で仕事してたらカミさんから携帯に電話で知らされる。よくよく聞けばそんなに大事ではないみたいで胸を撫で下ろすが、どうも右手の親指の付け根をやっちゃったらしい。コウメさん結構学校では活発なようでしていつも男の子たちに混ざってドッジボールをやってるんだそうです。昨日も20分休みにドッジボールしてたら上級生とぶつかって尻餅をついた拍子に右手を突いちゃったんだって。う〜んしかしそれで折れちゃうのか・・・。この子は赤ちゃんの時から骨格もしっかりしてて骨丈夫だとばかり思ってたんだけどなあ。女の子二人の割には我が家はしょっちゅう怪我で泣かされてますなあ。来月には臨海学校だというのにね。早く治るといいが。というわけではないけど今日は仕事を早めに切り上げ浅草駅で待ち合わせて一家でほおずき市へいきましたよ。それにしても右手というのが彼女の場合不幸中の幸いね。ぎっちょですから。
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by uegaito | 2011-07-09 22:52 | 我が家のことですみません | Comments(0)

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