無限のサムライと999と地球を守れ

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唐突ですが、漫画家の松本零士さんにお会いしました。日本建築家協会(JIA)トーク委員会主催のJIAトークで講演をされまして、自宅に眠っていた『銀河鉄道999』の第1巻を携えて聴きに行ったわけです。多くの同世代男子がそうであるように僕の小学校〜中学校の大部分は松本零士と藤子不二雄でした。ちなみに無類のマンガっ子だった僕は小学校高学年あたりから少年誌→青年誌と何種類もの漫画雑誌を毎週買い続けるというひたすらマンガ漬けの半生を送ってきたわけですが、まさにその出発点が『少年キング』に載っていたこの『銀河鉄道999』だったわけです。断片的ではあるけど本屋さんで『少年キング』を立ち読みしてあまりの衝撃に生まれて初めて自分の小遣いで買った単行本が『999』の1巻だった気がする。冒頭いきなり美しいお母さんが殺されて剥製にされちゃうんだもの、衝撃だよね。その作者の松本零士さん、数年前になんだかお騒がせしてたような記憶もありますが実物はやっぱり面白かった。何というか淡々と手元の作品を書画カメラで写しながら次なら次へと話が飛ぶ飛ぶ。途中何度も話が見えなくなりましたが近所のおじいさんのおうちに行ったら話が止まらなくて帰るに帰れなくなった、という感じの講演会(?)でしたね。とっても地球のことを心配されていて、世界の国々は戦争をしている場合ではない、地球はこのままでは滅亡してしまうから手を携えて「地球人」として未来を子ども達に繋げていこうと。子ども達はバトンを渡されて未来を開いていく大切な宝なのだから可能性の芽を摘むようなことを大人がしてはいけないと。2番ではいけないんですかと聞いたバカな政治家がいたが1番を目指して2番になるなら仕方ない、最初から2番を目指したらどうなるかわかってるのかと。18歳で上京して売れない時代が続き何ヶ月も風呂に入らずいんきんたむしになったが薬局で勧められて買った薬ですぐ治ったのでその話をそのままマンガに(『男おいどん』)描いたらブレイクしたと。おいどんはそのまま自分で、何週間も履いたパンツを洗わずに押入にどんどん突っ込んでいたらキノコが生えたと。牧野富太郎博士の植物図鑑を見たら「食」と書いてあったのでそのキノコをラーメンに入れてちばてつやさんに食べさせたら美味しそうに食べたと。ちばてつやさんは松本さんのお話しに何度も出てきました。松本さんの茶目っ気の犠牲者として。まあどこまで本当のことかなんて野暮なことは言わないものです。存在自体がマンガのような方でした。零士というペンネームは「零=ゼロ=無限」の「サムライ」でありたいという思いでつけたそうで、だからなのか話が無限に止まりそうもなかった。司会がおろおろしながら何度も終わりにしようとするのだけどその都度また新しい話を始めてしまうので予定時間を30分くらい軽く過ぎてました。質疑を会場から求められて思わず手を挙げて、『999』の1巻を見せながら、僕の造形の根底にはこれがあると言ってしまいました。ほんとかよ。その後サイン希望者に応じてくれて、僕はその1巻に書いてもらいました(写真下)。実のところ自分でもこんなに嬉しい気持ちになるとは思ってませんでしたね。なんというか子どもの頃に出会ったものごとってのはその後に培ってきた理性を簡単に突き破るんだなあって実感したね。ところで僕は松本零士さんて戦争が好きなのかとばっかり思ってました。恐らくそう思ってる人けっこう多いんじゃないかと思いますが、これは思いっきり真逆の誤解でした。8歳で終戦を迎えた松本少年は戦中戦後の悲惨さを嫌というほど体験され、もう二度とこのような戦争をしてはいけないと思ったそうです。そういう反戦の思いを実は『宇宙戦艦ヤマト』や『キャプテン・ハーロック』『宇宙海賊クイーンエメラルダス』そして『銀河鉄道999』に込められていたのだそうです。そう思うと『ヤマト』での一連の騒動も腑に落ちる面がある。『さらば宇宙戦艦ヤマト』で冒頭、何万人という観衆の前で地球大統領(?)が新型戦艦「アンドロメダ」を披露するシーンがあって、僕はこれがどうも違和感あったんだよね。完全に戦争礼賛に見えたから。だから多分これはもう松本さんの手の及ぶ範囲を超えて異論も挟めなかったんだろうなあと思いますね。そんなどうでもいいことをふと思いつつ天高く馬肥ゆる秋の抜けるような晴天の祝日に一人仕事する父を許せ娘たちよ。地球のためだ。そういうことで。ごきげんよう。さようなら。
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by uegaito | 2014-09-23 12:05 | つれづれ | Comments(0)

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