人気ブログランキング | 話題のタグを見る

SF寒しと差異と差別

もう24年も前、大学院の1年生の夏にちょっとだけアメリカの学校を体験しに行ったことがある。サンフランシスコ郊外のとある州立大なんだけど僕は旅行を含めてこの時初めての海外でして、真夏に日本を出発して行き先がカリフォルニアなんだから暑いはずだとTシャツで空港に降り立ったらなんせ寒くて右往左往したもんだ。行き先の情報をちゃんと調べずにとにかく行っちゃうの、未だに治らんな。ところでこういう感じだから日本人以外の人々と話をするのももちろんほとんど初体験でして、さすが人種のるつぼアメリカというか世界各国の人たちと友人になりました。たった3ヵ月だったけど不思議と1年くらいいたような感じだった。そういう濃密な経験のなかには結構シビアな、というか日本でのそれまでの自分の生活があまりにぬるかったんだろうけど、人種の話とか思想信条、宗教にまつわることがたくさんあった。詳しくは書かないけどね。で、帰国してきて設計のバイトやら修論の準備やらになったなかでちょうどその頃流行ってた言葉に「差別化」ってのがあって、とにかく世はある種のマーケティング全盛というか、今から考えたらバブルの始まる時期だったもんだから浮ついたマーケティングもどきに接していたんじゃないかなと思うんだけどとにかく当時やたら飛び交うその言葉に非常に違和感を覚えたもんだ。使っている人たちのニュアンス的には調べてはいないけどきっと原語はdifferensiation「差異化」の方が正しいんじゃないかなって感じたんだよな。なのに「差別化」っていうとdiscriminationを想起させるでしょ。このdiscriminationという言葉に散々接してきたばかりだったので特に過敏になってたんだろうね。言葉を適当に弄ぶのがこの頃の特徴だったんだろうけどその中でもこの「差別化」はやっぱり度が過ぎて無神経だったなと思うねやっぱり。いまちなみにマーケティングではちゃんと「差異化」が使われているようなので、心あるリーダーが用語をただしたんだろうね。
by uegaito | 2012-01-21 16:08 | ことば

ウエガイトのブログ

by uegaito
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31