今みたいにコーヒーを味わって飲むようになったのって、思い返してみると今の業界でバイトするようになってからだね。ってことは大学の2年の終わりくらい。それまではたぶんコーヒー自体あまり好きではなかったかな。初めてバイトした都市計画事務所もそうだけど、建築の人ってみんなコーヒーをやたら飲むのね。そのバイト先でカタギリさんに連れてってもらった古瀬戸って喫茶店は当時とても衝撃的だった。なんでかって、当時200円かそこいらのコーヒーが古瀬戸では1杯500円したんだから。カウンターに座ると目の前に陳列されているカップの中から自分の好きなのを選んで淹れてもらうわけですよ。このサービスにみんな参っちゃって2倍以上払ってでも足繁く通うわけ。25年前ですからね。もう経験経済の先駆的な店なわけですよ。行き始めた当時駿河台下の2階のお店だけだったのが、数年のうちにすずらん通りに2号店、神保町に3号店とすごい勢いで展開してったな。3号店では画家の城戸真亜子さんがライブで壁画を制作してたり。懐かしいなあ。そういうの経ていくうちにすっかり僕もコーヒー中毒になっていったわけです。そういうことで。